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第19話 レンを信じる

ผู้เขียน: 来須みかん
last update ปรับปรุงล่าสุด: 2025-03-06 16:58:50

「私、レンを信じる」

出会ったばかりでレンのことは何も知らない。それでも、怖がらせないために今まで一緒にいてくれた人のことを、穂香は信じようと思った。

大きく目を見開いたレンの頬が赤くなっている。今度は気のせいではない。

「まったく、あなたという人は……」

その声はあきれているというより、どこか嬉しそうだった。

「レンの話の続きを聞きたいけど、ここでは、何も話せないんだよね?」

「そうです」

「夢の中なら……?」

「大丈夫です」

「じゃあ、今から寝よう!」

急いで家に戻ると、穂香は自室でおまじないの準備を始める。枕の下におまじないの紙を入れる穂香を見ながら、レンがため息をついた。

「いや、あなた、今起きたばかりですよね? 寝れるはずがないでしょう?」

「そうだけど、レンの話の続きが気になりすぎて! とりあえず、寝るだけ寝てみようよ。不思議な力で寝れるかもしれないし」

穂香はベッドに潜り込むと、レンの腕を引っ張った。

「はい、レンも寝る!」

「ちょっと、何を!? まさか一緒のベッドで寝るつもりですか!?」

「床で寝たら風邪ひくよ? いいからいいから」

穂香はレンの両目を手のひらで覆うと、自身もそっと目を閉じた。

*

気がつけば、穂香は教室に立っていた。

「やった! ほら、来れたよ、レン!」

不機嫌そうなレンは、頬だけでなく耳まで赤い。いつものように夢の中では、メガネをかけていない。

「……なんなんですか、あなたは……。いくら幼なじみ設定でも、一緒のベッドで寝るなんてありえないでしょうが!」

「何怒ってるの? 今はそれどころじゃないでしょう? 早く続きを話してよ」

咳払いをしたレンは、気持ちを切り替えたようだ。

「そうですね、今はそれどころではありませんでした」

「そうだよ! それで私のせいで、人類が滅亡するってどういうことなの?」

「正確には、あなたのせいではありません。ただきっかけを作ってしまうだけです。あなたは、このまま普通に生きていくと、大学でとある男性に出会い、結婚する予定でした」

穂香は、急に未来の旦那様の話をされて戸惑った。

「そ、そうなんだ」

「その男性は、のちに画期的で、便利な発明をします。詳しくは言えないのですが……。そうですね、この時代の物で例えるならば、パソコンやスマートフォンといったような、誰にでも簡単に使えて、生活にかかせないようなものです
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    【同日 夜/自室】(学校の教室から、夜の自室までとばされてる。これは、もう早くおまじないをしろってことだよね)穂香の目の前におまじないをするかしないかの選択肢が現れたが、迷うことなく「する」を選んだ。(確か、この紙を枕の下に入れて寝るんだっけ?)枕の下におまじないの紙を入れてから、穂香はベッドに仰向けになった。これで好きな人の夢が見れるらしい。(そんな都合のいいことが……。たぶん、起こるんだろうなぁ、ここは恋愛ゲームの世界だし)目を閉じると、すぐに眠りに落ちていった。*【夢の中/教室】(あっ、無事に夢が見れたみたい)教室には、穂香の他にもう一人いた。(誰だろう?)真っ白な服に、同じく真っ白な帽子をかぶっている(軍服のような、着物のような……)白い軍帽の下では、長い赤髪が風に揺れていた。切れ長の赤い瞳に冷たい横顔。それは、確かに見覚えがあった。「もしかして、穴織くん?」穂香の問いかけに反応して、こちらをふり返った人は、確かに穴織の顔をしている。しかし、その顔からは表情が抜け落ちていた。「えっ? 穴織くん、だよね?」うつろだった赤い瞳の焦点が、徐々に定まり「……白川さん?」と呟いたとたんに、いつもの穴織の顔になる。「どうして、白川さん

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    【同日 昼休み/教室】(朝の教室から、お昼休みの教室に飛ばされてる)穂香が教室内を見回すと、穴織が分かりやすく悩んでいた。いつもニコニコしている顔から笑顔が消えるだけで、だいぶ雰囲気が変わる。少し伏せられた瞳は切れ長で、その横顔は冷たそうだ。(さすが元無表情クールキャラって感じ)「穴織くん、難しい顔してどうしたの?」穂香の声で我に返った穴織は、すぐにいつもの笑みを浮かべた。「あ、白川さん……ちょうど、良かった……」ちょうど良かったと言うわりには、綺麗な赤い瞳が泳いでいる。穴織の制服の胸ポケットが淡く光り、話す武器の声が聞こえてきた。『涼(りょう)、何をためらっておる?』そのとたんに、穴織は胸ポケットを手で押さえる。(教室で急におじいさんの声が聞こえても、騒ぎになってないってことは、この声、普通の人には聞こえていないんだね)「白川さん。文化祭のことで話があるねんけど、ちょっといいかな?」穴織に手招きされ、穂香は一緒に廊下に出た。「白川さん、これ知ってる?」穴織が持っている紙は、たった今、穂香がレンからもらったおまじないの紙と同じだった。「あっそれ、女子の間で流行っている、おまじないに使う紙だよね?」「そう! 白川さんって……これやったことある?」「ううん、ないよ」穴織の胸

  • 恋愛ゲームの世界から脱出する方法はイケメンからの告白!?   《04番外編》もし、穴織と恋愛していたら③

    真っ赤な顔の穴織は、「白川さん。ちょっとそこで待っててくれる?」と言いながら、通路の角に駆けていった。しばらくすると、穂香の耳元に穴織の声が聞こえてくる。(え? この距離で声が聞こえるっておかしくない?)もしかすると、恋愛ゲームをうまく進められるように、ひそひそ話が聞こえるようになっているのかもしれない。穂香は、心の中で『穴織くん、立ち聞きしてごめん!』と謝った。「ジジィ、おいジジィ!」『朝からうるさいのぉ』穴織が『ジジィ』と呼んでいるのは、話す武器だ。「なんかおかしいねん! 俺、白川さんに魅了されてないか?」『はぁ? 穴織家の血を受け継ぐ者に、魅了術なんか効くわけあるまい』「そ、そうやんな……でもっ」『なにを小娘一人に動揺しておる? 前の学び舎には、もっと綺麗な娘がたくさんいたであろう?』「いや、あいつらは論外やで。急にケンカをふっかけてくるし、俺が勝ったら穴織家の血が優秀やから、俺との子どもが欲しいとか、めっちゃ気持ち悪いこと言ってくるし!」会話の流れでなんとなく穂香は、穴織が前の学校で美少女ハーレム状態だったことを察した。(穴織くん、モテモテだったんだ。でも、相手にしていなかったみたい。それって恋愛に興味がないってことだよね? そんな人とどうしたら恋愛できるの?)穂香の不安をよそに、会話は続いている。『その綺麗どころを片っ端から無視して、顔色一つ変えずに淡々と任務だけをこなし、冷徹機械人形と呼ばれていたお前が、今さら何をあせっておるのだ?』「そ、そうやねん! 今まで他人なんか気にしたことなかったし、今回も潜入のために『普通の学生』を調べて演じてただけやねんけど……。演じているうちに、普通の生活の楽しさに目覚めてしまったというか……」少し間を空けて、穴織の真剣な声が聞こえた。「白川さんと話してたら、俺、本当に普通の人になれたみたいで、なんかめっちゃドキドキする……」『まだまだ青いのぉ。浮かれて気をぬくでないぞ。あの小娘の正体は、まだ分かっていないんじゃからな』「そうやけど……いや、そうやな」穴織の言葉を聞きながら、穂香は『なるほどね』と納得した。(穴織くんは、今まで特殊な環境で生きてきたから『普通』に強く憧れているんだね。だから、ものすごく普通な私に、こんなにも好意的なんだ)よくできた愛され設定だと、穂香は感心する

  • 恋愛ゲームの世界から脱出する方法はイケメンからの告白!?   《03番外編》もし、穴織と恋愛していたら②

    風景が変わり、穂香の目の前に日付が現れる。【10月7日(木)朝/自宅玄関】「うわ!? 騒いでいる間に、次の日になっちゃってる!」 慌ててレンの姿を探しても見当たらない。「嘘でしょ!? 私を穴織くんと2人っきりで登校させる気なの⁉」昨晩『ようやく恋愛ゲームになってきました』と喜んでいたレンならやりかねない。穂香がおそるおそる玄関の扉を開けると、家の門付近に赤い髪の青年が見えた。(う、うわ……穴織くん、本当にいるよ)穂香がどうしたものかと悩んでいたら、こちらに気がついた穴織が人懐っこい笑みを浮かべて片手を上げた。「白川さん。おはよー!」「う、うん。おはよう……」穴織の爽やかさに圧倒されながらも、穂香はなんとか挨拶を返す。「じゃあ、行こうか!」そう言って穂香の隣を歩き始めた穴織は、本気で一緒に登校する気のようだ。【同日 朝/通学路】「……えっと。穴織くん、急に一緒に登校しようって、どうしたの?」穂香が思い切って尋ねると「え? 迷惑やった?」と逆に聞かれてしまう。「いや、迷惑ではないけど……」「じゃあ、いいやん! あ、レンレンとは、いつもどこで合流するん?」穂香は、穴織をまじまじと見つめた。「どしたん?」大きく息を吐きながら、穂香は胸をなで下ろす。「そっか……。穴織くんは、3人で登校するつもりだったんだね……」「え?」「おかしいと思ってたんだよ」いくら『敵かも?』と疑われているとしても、いきなり2人きりで登校しようなんて攻めすぎている。(私とレンと穴織くんで登校するつもりだったから、あんなに強引だったんだ)穂香が「今日は、レンいないよ」と伝えると、穴織は「え? なんで?」と驚いている。「私が、穴織くんに誘われたってレンに言ったから、レンが勘違いして気を利かせてくれたんじゃない?」「気を利かせるって?」「その、デ、デート的な? 2人きりで登校したいって勘違いしたってことだね、たぶん?」誤魔化しながら伝えると、穴織の顔がカァと赤くなった。「あ、ちがっ!」「大丈夫、大丈夫。私は勘違いしていないし、ちゃんと分かっているから」「そ、そうなん? でも、レンレンは勘違いしてんねんな? なんか、ごめんっ!」「別にいいよ」 穴織は、申し訳なさそうな顔をしている。「だって、自分ら、めっちゃ仲良いやん? 俺が邪魔してレンレ

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